一年間を24に等分して、それぞれに季節の名前をつけたものを「二十四節気」といいます。二十四節気の13番目の季節が「立秋」です。
ネット上に、二十四節気について記したサイトはあふれていますが、その深い意味を分析したサイトは見当たりませんでした。
そこで、このサイトの二十四節気の記事では、西洋占星学・十二支・陰陽五行・八卦などの視点から分析し、二十四節気を成長に活かすための方法についての考察を記しています。
1 自分の活力を呼び起こす方法を見つける
2 孤独でも、困難でも、大切な課題に全力を注ぐ
3 自分にしか果たせない使命に取り組む
ざっくり知りたい方のための一般的な「立秋」の意味・行事・食物など
2019年の立秋はいつ?
2019年の立秋は、8月8日(木)から8月22日(木)です。
大暑の一般的な意味とは?
初めて秋の気立つがゆゑなれば也(こよみ便覧)
立秋は、夏の終わり、秋の始まりです。
気温的には暑さのピークとなる時期ですが、たぎるような夏の終わり感じ、秋の気配が流れてくるときです。
立秋の日から「残暑」となります。
立秋の期間にはお盆があります。大型連休で帰省したり家族旅行に行ったりと様々な過ごし方があります。お盆を過ぎると体感的にも秋の気配を感じることができるのではないでしょうか。
立秋の初候・次候・末候は?
ひとつの節気を約5日ずつ3つにわけたものを初候・次候・末候と呼びます。二十四節気×3で、これをまとめて七十二候と呼びます。
● 第37候【立秋の初侯】… すずかぜいたる(涼風至)
● 第38候【立秋の次候】… ひぐらしなく(寒蝉鳴)
● 第39候【立秋の末候】… ふかききりまとう(蒙霧升降)
【初候】すずかぜいたる(涼風至)
涼しい風が吹き、秋の気配を運んできてくれる頃です。
まだまだ暑い日々ですが、一陣の風に涼しさを感じるときです。
【次候】ひぐらしなく(寒蝉鳴)
お盆の時期になります。
ひぐらしが「カナカナ」と鳴く声が夏の終わりを告げているようです。
この季節は、終戦の日、五山の送り火、灯籠流しなどがあり、多くの方がご先祖に感謝を捧げる時期になります。
【末候】ふかききりまとう(蒙霧升降)
お盆が明けて、水辺には深い霧がたちこめてくる頃です。
まだ暑い日々は続きますが、お盆を過ぎるとどこか暑さの一山を超えた気がします。朝と夜の気温が少し下がり、過ごしやすくなってきます。
映像で感じる立秋
二十四節気を成長に活かすために、ちょっと深く「立秋」を考察してみます
次に、二十四節気を成長に活かすために、「立秋」の意味を深く考察してみます。
1. 西洋占星学から深める「立秋(獅子座の後半)」の意味とは?
立秋は、十二星座の「獅子座の後半」に対応しています。
獅子座は個性の星座と呼ばれるように、個人の輝きを最大限に表現することがテーマとなる星座です。
その前の蟹座では、身近な共同体に個が吸収されてしまう経験をしました。それはそれで集団の心地よさに包まれるという大切なステップなのですが、それだけでは、世界にたった一人の個人のオリジナリティや創造力は埋没してしまいます。
獅子座では、牡羊座で目覚めた意志、牡牛座で発掘した資質、双子座で手に入れた知性、蟹座で手に入れた感性を最大限に活用して、世界に向けて自らの個性を発揮しようとします。
百獣の王ライオンのように、高らかに自分自身を宣言するのが獅子座のテーマです。
獅子座はまた創造性の星座とも呼ばれます。獅子座は燃え上がるような活力をもっています。その活力は何らかのかたちで表現されずにはいられません。芸術、表現、アートなど、方法はなんでも良いのですが、とにかく何らかの手段で個性を表現し、創造しようとするのが獅子座です。
獅子座の前半(大暑)では、燃え上がるような生命力が吹き上げてきます。これをどのように扱うかがひとつのテーマでした。
獅子座の後半では、自分の弱気な心やまわりに振り回される心を克服し、ライフワークといえるような使命や目的を探求し、より高い次元での自己実現を求めます。
立秋とは秋が始まる時期です。
大暑までは夏の盛りに向けて高まっていく時期でした。個人の高みに向けていわば自己中心的に成長を目指すときでした。
立秋は、この暑さに秋の気配が入り込みます。秋は内省の時期です。荒ぶるほどに高めてきた創造的な意志を、人生にとって真に価値があるものに向けて昇華させていくときです。
獅子座の弱点のひとつに、自信のなさや落ち込みの激しさがありますが、まずはこの克服に着手します。その上でより高いレベルの生き方を模索します。やがてこの探求はある種の使命感を発見することで(獅子座としての)ゴールを迎えます。
他者に迎合したり、誰かと同じ道をいく必要はありません。集団や他者から「はみだす」ことを積極的に求めていくのが獅子座の道です。
(1)自分の気弱さに向き合って克服する
(2)はみでることを恐れずに大胆にチャレンジする
(3)本当の目的や使命を探し求める
2. サビアン占星術から深める「立秋(獅子座16〜30度)」の意味とは?
ここではサビアン占星術における5度ごとの意味から立秋を考察してみます。
サビアン占星術では、各星座が30度にわけられており、その5度ごとにテーマがあります。これは二十四節気が約5日ごとにわけられているのに対応しています。
● 獅子座の第四グループ = 立秋の初侯「すずかぜいたる」
● 獅子座の第五グループ = 立秋の次侯「ひぐらしなく」
● 獅子座の第六グループ = 立秋の末侯「ふかききりまとう」
未熟な自己中心性を克服することがテーマ
第四グループは立秋の初候(すずかぜいたる)に対応しています。
このグループでは、まわりの視線を意識して自己中心性が弱まります。
獅子座は高い自負心をもつと同時に、心のどこかに自信のなさを抱えています。
それは自らの意志には自信があるけれど、それを周囲が受け入れて評価してくれるかわからないという不安からくる自信のなさです。第四グループでは、この気質にダイレクトに直面します。客観的に、公平な視点で自分のことを見ることで、いままでがむしゃらに行動してきた自分が急にちっぽけに感じたりします。
立秋の初候は「すずかぜいたる」です。
真夏の暑さを冷やす涼風とは、単純な自己中心性という熱さを冷やす「客観的で公平な視点」のことです。
この経験を通して、自分の弱さや不安を克服します。最初は、自分の軸という拠り所を失ったかのような状態を経験します。まるでアイデンティティが失われていくようです。
しかし、この経験のなかで自分以外の周囲のリアクションや評価に目を向けることができ、それに配慮した自己表現をする資質が養われていきます。
最終的に目指すべきは、周囲の状況に左右されずに、自らの内なる活力を引き出す術を身につけることです。
非日常的な高揚を生み出すことがテーマ
第五グループは立秋の次候(ひぐらしなく)に対応しています。
前のグループにおいては、獅子座の弱みを克服して、いつでも自らの活力を引き出せる術を身につけました。第五グループでは、日常を超えた超越的な地平を求めます。
前のグループを通して、いつでもどこでも内なる力を発揮することができるようになりました。
第五グループでは、そのエネルギーを用いて、まだ見たことのない自分自身の境地へと行こうとします。日常的なもの、ありきたりのもの、常識的なものは獅子座の求めるところではありません。
自分の創造的な思いに従って活動を広げていこうとします。自らの意志にぴったりの仕事や活動でダイナミックに活動したいと思います。
また、自己意識をもっともっと高めていこうとします。これは、ドラッグなどによる変性意識や、瞑想によって開眼する高次の自己意識、また求道的な探求の道などを求める傾向としても現れることがあります。
立秋の次候は「ひぐらしなく」です。
数年間を幼虫として過ごした蝉にとって、寿命最後の幾日かを鳴いて過ごすことはまさしく非日常的な高揚といえます。
それは幼虫の蝉にとっては、それまでの日常が打破された高次の意識状態といえます。その小さな体から大きな鳴き声を響かせる様は、まさに第五グループのテーマに一致しています。
自分の使命を果たせる場所をつくることがテーマ
第六グループは立秋の末候(ふかききりまとう)に対応しています。
第四グループで気弱になる心を克服し、第五グループでより高いレベルの自己を探求し、第六グループではその自己と社会活動との橋渡しをします。
第六グループは、人生の目的や使命にあった活動の場をつくることがテーマになります。
低い次元の自己は第四グループで乗り越えられました。そして高い次元の自己を第五グループで探求しました。次の課題は、その自己に見合った社会活動の立場をつくりだすことです。
立秋の末候は「ふかききりまとう」です。
霧はつかもうとしてもつかめない、まるで幻のような存在です。そして、この霧をまとっているのは誰なのでしょうか。ここでは主語が暗示されているような文章になっています。
これまでの立秋の分析をふまえて「ふかききりまとう」を考察すると「高い次元の自己が(自らの目的を果たすために)社会的な活動をまとう」という意味に解釈できます。
ただし、獅子座はまだ個人的な世界で閉じている星座です。この社会的な活動は、一般に受け入れられるような社会的立場のようなものではないでしょう。
社会的な常識ではなく、自分自身の目的に正直であることが重要です。社会の枠に収まりきらない自分を、何とか社会のなかでの活動におとしこんでいるのが立秋の末候です。
初候 未熟な自己中心性を克服する
次候 非日常的な高揚を生み出す
末候 自分の使命を果たせる場所をつくる
3. 十二支・陰陽五行・八卦から深める「立秋」の意味とは?
立秋に対応する十二支、陰陽五行、八卦はこちらです。
● 十二支・・・「申」
● 陰陽五行・・「金(こん)」
● 八卦・・・・「坤(こん)」
申(猿)は、果実が成熟してかたくなっていく状態を意味しています。
申は獅子座の後半と乙女座の前半に対応しています。
「申」という漢字は「天の神」を意味する言葉です。また「申しあげる」「伸びる」などの意味もあります。
獅子座の後半で、低い自己が克服され高い自己へとたどり着きました。そして、乙女座ではその経験をふまえて「個」としての成長を完成させるプロセスに入ります。
この高い自己が、自分自身にとっての「天の神」といえる存在です。獅子座にはそこに向かって「伸びる」プロセスがあり、乙女座には伸びたものを社会的に適当なかたちに整形していくプロセスがあります。
「金」は新陳代謝によって生命を純粋に保つエネルギーを象徴しています。
「金」は秋という季節に対応しています。二十四節気では、立秋・処暑・白露・秋分です。
「金」は鉱物を象徴しています。大地のエネルギーが固まってできたのが鉱物です。それは大地が凝縮した結晶です。「金」の時期は、星座では獅子座の後半〜乙女座〜天秤座の前半です。この期間は「個」としての自分を完成させる段階に対応しています。まさに大地が鉱物というかたちを生み出すように、個人という結晶を完成させる時期です。
「金」に対応する臓器は「肺」と「大腸」です。どちらも排泄に関わる臓器です。
呼吸は吐くことで新鮮な空気が入ってきます。それを通して全身に酸素が運ばれます。大腸は不要なものを排泄するための働きをします。
不要なもの、余分なもの、栄養のないものを排泄することで、エッセンスを凝縮し、自分自身を完成させることがこの期間のテーマです。
坤は上から陰・陰・陰の卦(☷)です。これは地を象徴する卦です。大地がすべてを包みこみ養うことをあらわしています。
この時期の卦は「坤」という完全な陰の卦です。象意は「弱い」「低い」「柔らかい」「受け身」という女性性を象徴するような内容です。
まさに「外柔」です。
この時期は暑い天気とは裏腹に、自分自身を育んでくれている大地に思いをいたすタイミングかもしれません。
結論「立秋」の時期を成長に活かすためのポイント
1 自分の活力を呼び起こす方法を見つける
2 孤独でも、困難でも、大切な課題に全力を注ぐ
3 自分にしか果たせない使命に取り組む
それでは、それぞれのポイントについて解説していきます。
ポイント1 自分の活力を呼び起こす方法を見つける
立秋の時期は、ひとまわり大きな自分になるときです。
自分以外の誰かや何かを受け入れ、自分を見失い自信を失う経験を経ることで、より大きな自分へと成長するときです。
自分のなかにある自信のなさや気弱さを知り、退屈に感じる日常のなかにも小さな感動をみつけることを通して、より大きな自分の個性をつくりあげていことができます。
さらに重要なのは自分で自分の中にある活力を呼び覚ます術をつくることです。
好きな曲を聞くとか、きまったポーズをとる、深呼吸をするなど、何であれ自分の軸に戻ることができる自分にとっての儀式を持ちましょう。
ポイント2 孤独でも、困難でも、大切な課題に全力を注ぐ
立秋の時期は、自らが選んだ困難なテーマに取り組むときです。
一番大切なことに全エネルギーを注ぎ込むときです。
それが困難であれ、孤独を感じたとしても、集中力と忍耐力をもって挑戦をするときです。限界を越えようとすることで、難しい状況に陥るかもしれません。
それでも諦めずに何度でもチャレンジするときです。
そこに自分自身にとっての真実の道が開いていきます。
ポイント3 自分にしか果たせない使命に取り組む
立秋の時期は、心底充実できて自分を捧げられる目的を見つけるときです。
何かに貢献することができ、自らも充実感でいっぱいになる、そんな使命や目的に取り組むときです。
それは、こころの奥底にある崇高なイメージに、創造力によってカタチを与える活動です。このような使命に従って生きることで、まわりの人たちに多大な影響を与えることになります。
より深い価値をカタチにするときです。
おまけ
以上、立秋についての考察でした。