100年近く読み継がれてきた書籍です。
テーマはお金に愛されること。本書には幸せに資産形成するための秘訣が記されています。
お金についての勉強をするにあたって避けては通れない古典であると思います。
この記事では、この本のエッセンスを簡単にご紹介いたします。
目次
コンパクトにまとめると
本書のエッセンスを簡単にまとめてみますと、
(1)何が何でも収入の十分の一を貯金して、
(2)無駄な支出は削除して、怪しい儲け話にも飛びつかず、
(3)お金に関する見識があるアドバイザーの助けを借りて、堅実に投資し、
(4)現在の生活を豊かにし、未来の生活に備えた資産形成をしよう
という感じかと思います。
黄金に愛される七つの道具
本書は物語を通してお金に関する教えを学ぶかたちを取っています。
その中で最も重要な教えが「黄金に愛される七つ道具」です。
1、収入の十分の一を貯金せよ
これは、収入があったらまず十分の一を貯金せよということです。
有名な「パーキンソンの法則」というものがあります。これは簡単に言うと「私たちは時間やお金をあった分だけ使っちゃう」ということです。収入があがっても暮らしが楽にならなかったり、貯金がたまらないのは、このパーキンソンの法則によって説明がつきます。
お金を貯めたり、増やしたりしようとするのであれば、まず最初に貯金しなければなりません。
その貯金の額が収入の十分の一です。
平均的な年収を稼いで、収入の十分の一を貯金して、堅実に投資すれば老後資金は十分まかなえるという試算があります。
蓄えがなければ将来への不安が心に去来するでしょうし、お金を増やそうと思うのなら種銭が必要です。未来への不安を解消し、投資の種となるのが貯金です。
これが七つ道具の最初のひとつです。
2、欲望に優先順位をつけよ
収入の十分の一を貯金するということは、残った十分の九で生活することになります。
そうなると必然的に無駄な支出から削られていくことになります。優先順位の低い欲望の対象から切り捨てることになります。
これは「自分にとって本当に大切なものは何か?」「何にお金を使うべきなのか?」を考える機会になります。
ここでするべきことは支出の見直しです。
一ヶ月の支出リストの詳細を作成して無駄な出費を減らしたり、固定費を削減したり、より安く代替できるものを見つけたり、様々な工夫ができると思います。
こちらの記事も参考にしてください。
3、貯えた金に働かせよ
貯金によってお金が貯まったら、次は投資です。
お金をたくさん持っていることで金銭的な悩みは解決するだろうと考えるかもしれませんが、お金を持ち続けたり作り出す方法を知らなければ、いずれお金はなくなってしまいます。
別のお金の古典本にこんな言葉があります。
「結局なくしてしまうのなら、いくらお金を儲けたって意味がない」
つまり、お金を持っていることが財産ではなく、「お金が入ってくる仕組み」や「お金が増える仕組み」こそが財産だというのです。
では、現代における賢明な投資先は何かという話になるのですが、まずは、つみたてNISAを活用してインデックスファンドに投資するのが良いと思います。
4、危険や天敵から金を堅守せよ
お金が貯まってくると、さらに増やしたいという欲望が膨らみ、大きく儲けようとしたり、自分が理解できていない儲け話にのりたくなってしまうことがあるといいます。
しかし、一攫千金を狙ったり、自分が理解していないビジネスや投資に手を出したりするのは愚かです。
大切なのは元本を守りながら、いかに堅実にお金を増やしていくかです。
そのためには自ら情報を集めて学び、また、自分よりもお金に関する見識をもっている人の言葉に耳を傾けることです。
5、より良きところに住め
これは幸せな生活を送ろうということです。
心を豊かにするための投資として住処を整えようということだと思います。
しかし、それは、いまの収入や生活レベルに分不相応な住居に住んだり、他者や社会の目を気にして見栄をはったり、欲望にしたがって住居のために不必要なお金をかけたり借金をしたり、住宅メーカーの口車にのって住宅ローンを組んだりすることではありません。
より良きところとは、自分自身にとってのより良きところです。
自分自身の軸に沿っており、自分自身の心が豊かに幸せを感じれる住居ということです。
6、今日から未来の生活に備えよ
ここまでの教えをいつから実践しますか?
そう「今日」からです。
貯金も投資も早く始めることが良いことです。
例えば、利回り2.7%の投資で50歳までに1000万円貯めようと思った場合、35歳から始めると毎月4.55万円積み立てる必要がありますが、25歳から始めると毎月2.34万円で足りる計算になります。
また、若いうちは労働で稼ぐことができますが、定年したり老人になれば労働所得は目減りするでしょう。そのときに資産や資本所得がなければ、収入源がなくなってしまいます。
ですから、始めるなら今です。
7、自分こそを最大の資本にせよ
これが最後の教えです。
確かに投資で稼ぐことはできるかもしれませんが、例えば1000万円を投資して利回り3%/年で運用しても年間30万円の利益にしかなりません。
そう考えると自分自身が稼ぐ力を身につけるほうがスピーディに収入をあげることができると思います。そうして、稼ぐ力をつけて得た収入を投資にまわして、資本所得の比率を増やしていくということです。
つまりは、いずれにしても自ら動かなければ何も始まらないということです。
まとめ
1、収入の十分の一を貯金せよ
2、欲望に優先順位をつけよ
3、貯えた金に働かせよ
4、危険や天敵から金を堅守せよ
5、より良きところに住め
6、今日から未来の生活に備えよ
7、自分こそを最大の資本にせよ
余談
ここまで黄金に愛される七つ道具を紹介してきましたが、私が本書で印象に残ったのは、最後の章の「お金はおまけだ」という言葉です。
気になる方は、本書を読んでみてください。