占星学

【必見】占星術を学ぶ人が見落としている《占星術に必要な5つの力》を公開します

最近、占星術を学び始めたんです!
それは良いですね。どんなことを学んでいるのですか?
え〜っと、サインと惑星。。。あと、この前、アスペクトについて学びました。

このように、占星術を学び始めるときに、まずは最低限度の知識が欠かせません。特に、サイン・惑星・ハウス・アスペクトの四要素について知らなければ何も始まりません。占星術を学ぶ人たちがたどるプロセスは大抵次のようなものだと思います。

(1)ホロスコープの出し方を学ぶ

(2)サイン・惑星・ハウス・アスペクトを学ぶ

(3)ホロスコープの読み方を学ぶ

(4)進行図などを学ぶ

独学で書籍やネットで学ぶ、講座を受講して学ぶ、どちらにしても上記のようなプロセスを辿るのではないでしょうか。私自身もそうでしたし、これから占星術を学ぶ方々にも上記のプロセスを進めると思います。

ただ、ここにはひとつの大きな問題があります。

!!!!!
大きな問題???
この《問題》が今回の記事のテーマです。

● 占星術を学ぶには、基礎知識をインプットして実践をこなすことが大切

● 占星術を学ぶのに、基礎知識のインプットと実践だけでは不十分!!!

占星術の初心者が陥る大きな問題とは?

占星術を学び始めた方が陥りやすい《大きな問題》とは、上記の手順を踏むだけでホロスコープを読めるようになると勘違いしてしまうということです。

ホロスコープチャートを読めるようになるには上記の手順を踏みましょう、と説明されたら、誰だって上記の手順を踏んだらホロスコープチャートを読むことができると思ってしまいます。しかし、私はそれだけでは足りないと考えています。

繰り返しますが、上記のプロセス自体は間違っていません。基礎知識を学び、ホロスコープ の読み方を学び、練習することは絶対に必要ですし、量をこなして質を向上させていくべきです。

ただ、私はそのプロセスのなかで、見落とされ、欠落し、盲点となり、誰も解説してくれていない大事なことがあると考えています。

大事なこと?
はい、そうです。

占星術を学ぶ人たちの中には、難しくて理解できずに挫折してしまう人、浅い理解でわかったつもりになってしまう人、努力しているのになかなか上達しない人などがいます。何故そうなってしまうのかというと《占星術に必要な5つの力》を知らないからだと思います。

占星術に必要な5つの力???
そんなのどこの本にも載ってなかったぞ。
私が受講した講座でも聞いたことありません。。。
これは私の経験則です。私自身、占星術の文脈でこれらの力について語っている本や人は見たことがありません。

この5つの力について知らずに、上記の手順だけでホロスコープが読めるようになると思うことは、野球のルールを理解しただけで、野球の試合に出られる実力がついたと考えるようなものだと思います。

《占星術に必要な5つの力》がある

● 占星術を学ぶ人が見落としやすい、というか、誰も教えてくれない

● 5つの力を知らないから上達しなかったり、理解したつもりになってしまう

【占星術のオススメ本12選 】初心者からプロ向けまでを厳選しました ・自分のレベルにあった占星術の本はどれ? ・独学したいけど、どこから手をつけたらいいの? ・初心者でも読みやすい本っ...

《占星術に必要な5つの力》とは何か?

それでは《占星術に必要な5つの力》について解説していきます。

さっさと説明しろ!!
私も知りたいです!
それは次の5つの力です。

(1)象徴を理解する力

(2)言語化する力

(3)分析する力

(4)関係を解読する力

(5)物語る力

それでは詳しく説明していきます。

頼んだ!
説明長いのでゆっくり読んでください。

目次

ホロスコープの分析は仕組み化すべき │ 占星術コンサルテーションの分析手順あなたはホロスコープを分析する手順を仕組み化していますか? これは西洋占星術を学んでいる方、そして、占星術コンサルテーションを提供...

(1)象徴を理解する力

占星学に必要な5つの力の一つ目は《象徴を理解する力》です。

(1)象徴を理解する力

(2)言語化する力

(3)分析する力

(4)関係を解読する力

(5)物語る力

占星学は象徴の科学であるといえます。

え?科学なんですか?
これには補足説明が必要ですね。

 

占星学は科学なの?

ここでの「科学」とは体系化された知識や経験の総称のことであって、自然科学に限定しているわけではありません。占星学は現代の自然科学の実証方法によって解明することは難しいでしょうし、実証する必要があるかどうかも疑問です。

例えば「占星学って統計学ですよね」という意見を聞くことがありますが、これは占星学についても統計学についても知らないということを表明しているに等しいでしょう。統計学の視点から見ると、そもそも占星学のデータを数値化すること自体が難しいでしょうし、たとえ定量化できたとしてもそれとの関係性を証明したい特定の事象の命題化も難しいですし、数値化と命題化ができたとしても統計学的に有意なデータを導き出すために必要なデータ量を確保できるかというとこれもまた難しいのではないでしょうか。

例えば「男性のネータルの太陽に進行の月がコンジャンクションする前後3ヶ月には結婚願望が起きてくる」という命題を立てたとします。

まず「男性のネータルの太陽に進行の月がコンジャンクションする前後3ヶ月」と一見それなりに定量化できているように見えますが、かなり大雑把な定量化と言わざるを得ません。他の惑星とのアスペクトやハウス、当該男性の年齢・居住地・収入などの属性等は一切排除されているからです。さらに「結婚願望が起きてくる」という仮説についてですが、これは定性的な要素が強く、各人の受け取り方のレベルによって回答が変動する可能性を孕んでいます。そして、もしも「男性のネータルの太陽に進行の月がコンジャンクションする前後3ヶ月」という命題がそれ以外の要素を排除したことを考慮したデータ処理をすることとして、「結婚願望が起きてくる」という仮説についても「結婚に向けた具体的なアクションをとった」というようなもう少し定量的に把握できそうな内容にしたとしても、統計的に有意な結論を出すためには数百のサンプルデータが必要になるでしょう。

果たしてそのような統計学的な研究がこれまでに為されてきたのでしょうか。

もちろんそうした方面での占星学的研究は為されてきたと思います。しかし、統計学的に有意であるといえるほどの研究、また、占星学は統計学であると言えるほどの研究が為されてきたとはとても言えないでしょう。

さらに、今後、ビッグデータを用いて統計学的に分析されることがあったとしても、ある特定の命題に対しての傾向性の証明が積み重ねられていくかたちになるでしょうし、占星学を統合的に体系づけていくためには統計学以外の様々な営為が必要となるでしょうから、占星学を統計学に限定することに意味はないと思います。

ふむふむ。。。

ただし、広義における科学と呼ぶことはできるのではないかと考えます。

科学を体系化された知識や経験の総称であると定義づけるのであれば、占星学の歴史には明らかに科学的な営みが蓄えられていると思うからです。

ただし、自然科学におけるような再現可能性・実証可能性という面では難しいところがあると思います。それは自然科学以上に観察者や研究者の立場によって顕現する事象が変化する分野であるからです。

小難しいな。。。
そうですね。このテーマはこのくらいにして本題に戻りましょう。

 

象徴とは何か?

占星学は象徴によって成立しています。

例えば「牡羊座」「火星」「オポジション」「4ハウス」など、それらはすべて象徴です。

象徴には2つの側面があります。一つ目は、視点によって象徴をどう解釈するかに差異が生まれること。二つ目は、象徴の根底には何らかの理念的存在が仮設されること、です。

一つ目の例として、十字架をあげてみます。

十字架は一般の日本人が見たらただのバッテンかもしれません。欧米の人が見ると教会を連想するかもしれません。中世のイスラム教とが見れば自国に攻めてくる敵(十字軍)のシンボルとして怒りの対象になるかもしれません。一方で敬虔なクリスチャンにとってはキリストの贖いであり愛の証であり救いの喜びを呼び覚ますものかもしれません。このように象徴は誰がどの視点から見るかによって解釈に幅がでます。

二つ目については、心理学者のユングが元型という概念を提唱しました。

ユングは、我々人類の意識の根底には集合的無意識という働きがあり、その作用として時代や場所が違えども同様の象徴が現れてくることがあるということを世界中の神話や心理学における臨床研究を通して論じました。

この二つの側面に「象徴」の面白さと難しさがあります。

ふむふむ。。。

 

象徴の面白さと難しさ

象徴の面白さとは、象徴が日常の言語では語り尽くせないイメージを包み込んでいるということです。そして、象徴の難しさとは、象徴はそれを解釈する人に依存して、その姿や意味のレベルを変化させるということです。

例えば「火星」という象徴について、怒り・行動力・主導権・性欲などの意味があると学んだとします。しかし、怒りひとつとっても、動物的な反応的怒り・自我の慢心による怒り・社会的義憤など様々であり、他者へ向かうベクトルもあれば、自身に向かうベクトルもあります。これがさらにサインと組み合わせられるとよりイメージの幅が広がりますし、ハウス・アスペクトまで加味すると無限ともいえるイメージの海ができあがります。

海で溺れそうだぜ。

とはいえ、それが象徴であるからには、ある特定の特徴や傾向性や意味を有しているのも事実です。だからこそ、怒り・行動力などの意味がでてくるわけで、どの解釈も間違っているわけではありません。

しかし、これが占星術を学び始めた方々がつまづいたり、勘違いしたりする要因にもなっています。

例えばこんな風です。

● それぞれの象徴に対する特定の解釈のみを機械的にインプットして信じ込んでしまう

● 象徴のイメージが抽象的で、どう解釈してよいか戸惑ってしまう(象徴の海で溺れる)

● 特定の象徴の意味を覚え込んで「これはこういうことです」と他者に教えたり、それを利用してお金をとったりしてしまう

 

象徴を理解する力を身につけよう

ですので、占星学を学ぶには「象徴を理解する力」が必要だと思うのです。

少なくとも、それが必要であるということを明示的に自覚し、また、占星学を教える方々は学び始めた方々にそれを伝える必要があると思うのです。

象徴を理解する力とは、

・象徴についての豊かなイメージにアクセスする力であり、

・所与の視点や条件にしたがって象徴を解釈する力であり、

・象徴を解釈するための視点や条件を自ら見つける力です。

そんな力どうやって身につけるんだ?

象徴を理解する力をつけるには、いくつかの方法があります。

(1)象徴に対する内的なイメージを形成すること

(2)視点を限定して象徴を解釈すること

(3)観察する力を身につけること

(1)象徴に対する内的なイメージを形成すること

ある象徴についての説明や解釈をたくさんインプットして、自分なりに考察し、現実の経験とリンクさせる実践をすることによって、その象徴がどのようなイメージを有しているのかが体感として理解できるようになってきます。

まずは自分の人生経験や理解していることと結びつけながらイメージをかたちづくり、それから、個人の経験や価値観を超えて、ひとりの観察者や研究者の立場でその象徴がもつイメージを自分のなかに取り込んでいくのが良いと思います。

上記のような外面的なアプローチだけではなく内面的なアプローチもあると思います。ユング的に表現すると「集合的無意識に潜在している元型に自らの心を通してアクセスする」と言うことができるかもしれません。これは外側からインプットするのではなく、私たちの心に潜在しているものへと内側からコンタクトするアプローチです。しかし、内側に潜在するものにアプローチするためにも外的な象徴は必要だと思いますので、外側や内側というように分けることはナンセンスかもしれません。両面必要ということです。

 

(2)視点を限定して象徴を解釈すること

象徴が抱えているイメージの海には様々なものが詰め込まれています。無思慮に飛び込んでいくと溺れます。何をどう解釈して良いのかがわからなくなってしまうのです。

ですから「視点」が必要なのです。視点という条件を与えることで象徴は一気に解釈しやすくなります。

例えば、土星を例にとると次のような感じです。

● 世間的な野心家の視点では、着実に現実化する働きであり、野心を社会に具現化する力と解釈するかもしれません

● 悪人にとっては、自らの罪を裁こうとする働きであり、逃げても追ってきてルールを押しつけてくる巨大な敵と解釈するかもしれません

● 心理学的には、自らの影をあらわし、未発達の心の働きを示して、それとの結合へと導いてくれる働きと解釈するかもしれません

● 霊的には、過去世からのカルマと向き合わせ、浄化へと導く慈悲と智慧に満ちた存在と解釈するかもしれません

このように、視点を限定することによって、それをどう解釈するかが変化します。そして、解釈をしやすくなると思います。

 

(3)観察する力を身につけること

視点を限定するといっても、対象をよく観察しなければなりません。

例えば、誰かのホロスコープを読むときには、その相手のことをよく観察しなければなりません。相手に応じて、どの視点でどのレベルで象徴を解釈するかを選択していかなければならないからです。

この力がなければ象徴を的確に解釈することは難しいと思います。

相手のことをよく知らない場合、相手の情報がない場合には、逆説的になりますが、ホロスコープ自体をよく観察し、それによって象徴の視点を見つけ、解釈の幅を想定していく必要があります。

いずれにしても、観察する力を伸ばすことを通して、今この象徴はどのような視点で、どのように解釈することができるかという思考がより良くめぐるようになると思います。

 

象徴理解のレベルが、自分の占星学のレベルを規定します

占星術を学び始めた方が、特定の金星の配置をみて「これって金運があるよね」とはしゃいでいたとしましょう。

この解釈自体は何の問題もありません。金星の配置によって、そのような解釈をすることも可能だからです。しかし、その方が「金運」という視点だけでしか象徴を解釈できないとしたら、それがその方の占星学の理解レベルを示していると思います。

象徴理解がより深まっている方であれば、金運と見ることもできるし、人間関係という視点、嗜好性の視点、官能や性欲という視点、恋愛感情の視点、創造の視点、ハートチャクラと霊的エネルギーいう視点、等々、様々な観点を自由に行き来しながら象徴を理解しようとするでしょう。

このように、ある象徴をどれだけ豊かに理解することができるかが、私たちが占星学をどこまで理解できるかを左右しているといっても過言ではありません。

 

簡単な練習から始めましょう

象徴を理解する力を身につけるためには、日常生活のいろいろなものを象徴的に眺めてみるというのが良いと思います。象徴を理解できなければ、象徴を解釈することは難しいです。

例えば、食後のお菓子を食べているときに、お菓子を食べる喜びを「金星」と見たり、お菓子を作り出した働きを「土星」と見たり、ひとつ食べたらもう一つ食べたくなるのは「木星かな」と考えたりです。誰かと会った時や道ゆく人を観察して、「山羊座的だな」とか「魚座っぽい」と解釈してみることも練習になります。

最初はレッテル貼りのような感じで構いません。

少しずつ慣れてくると、「この服は射手座の火星っぽいな」とか、「AさんはBさんとはオポジションだけど、Cさんとはトラインだな」とか象徴で見る内容が深まってきます。

これは占星学だけの話ではなく、象徴で物事を見ることができるようになると、抽象化能力が高まりますし、特定のものの見方や価値観に固着しないようになり、より心が自在に動くことができるようになるのを実感できると思います。

 

(2)言語化する力

占星学に必要な5つの力の二つ目は《言語化する力》です。

(1)象徴を理解する力

(2)言語化する力

(3)分析する力

(4)関係を解読する力

(5)物語る力

言語化とは、象徴の豊かな海のなかから見つけてきたものを言葉で表現することです。象徴を通して理解したイメージを自分の思考を通して噛み砕き言葉に落とし込むことです。

私たちの思考は言語に依存しています。私たちは概念の表象である言語に依存することで思考することができます。そして言語を通して他者と概念や思考を共有することができます。

象徴を理解しても、それを言葉にできなければ、誰ともその理解を共有できません。
確かにそうですね。

 

言語化できないデメリット

言語化が苦手だと次のようなデメリットが生じます。

● 象徴の意味を単語でしか表現できない

● 象徴の解釈が、固定されて、一本調子で、陳腐なものになる

● どのような言葉で表現していいかわからないので、それについて考えることもままならない

これは確かにデメリットだな。
なので、言語化する力を鍛えていく必要があるのです。

 

言語化する力を鍛えよう

言語化する力を鍛える方法として、ここでは次の5つを紹介しておきます。

(1)一人でできるアウトプットをする

(2)語彙力を増やす

(3)要約する

(4)比喩で語る

(5)他者に何かを伝えたり教える

(1)一人でできるアウトプットをする

これはとにかく言葉でアウトプットする練習をするということです。

日記を書くことから始めてもいいでしょう。思いついたこと、学んだこと、アイデアなどを言葉にして残しておくのも良いでしょう。読んだ本で心に残った文章、知識として残しておきたい言葉などを書き残しておくのもアウトプットです。サイトやブログを立ち上げて記事を書くのも良いと思います。

つまり、何でもいいから言葉でアウトプットする機会を大量に増やすということです。

 

(2)語彙力を増やす

次に言語化が苦手になる要因として、語彙力が少ないということがあります。

語彙力を増やすのに手っ取り早いのは読書です。特に語彙力を増やすという観点を重視するとすれば、多彩なジャンルの書籍に触れるのが良いでしょう。

論説文や小説はもちろん、詩や俳句などのクリエイティブな表現が散りばめられた文章に触れることは語彙の使い方という視点でも力になるでしょう。

良い文章表現や、使い慣れていない単語に出会ったら、メモを書き残しておくことでアウトプットの訓練にもなります。

テレビやYoutubeなどの動画を見て、話している人の表現の仕方や使っている言葉を真似してみるのも訓練になります。

 

(3)要約する

散文的、または詩的に言葉を紡ぐことができたとしても、それらの要点を的確にまとめることができるかどうかは重要です。

冗長な文章や思考の重要なところを見極め、適切に要約できるということは言語化能力のなかでも大切な部分であります。

読んだ本の要約を端的にまとめておくのも良いでしょう。何かを見聞きしたり、学んだときに、「それって、これこれこういうことだよね」と独り言をつぶやくのもありです。

 

(4)比喩で語る

占星学は多彩な象徴によってなりたっています。そしてそれは、論理によってだけ把握されるような類のものではありません。むしろ論理によっては語り尽くせない働きに満ち満ちています。

そのイメージは、世間的で日常的な言葉の使い方だけでは表現し尽くすことができないでしょう。そこには比喩でしか語り得ない類のイメージが湛えられています。

私たちは、たとえ話を通して、よりよく対象を理解したり、イメージを形成することができます。ですから比喩で語ることは言語化する能力の一部です。

象徴を詩的に語ること、日常的には使わないような言葉の組み合わせや文章を通してイメージを表現することに挑戦してみましょう。

そのための訓練としては、詩を味わうこと、芸術・アートを体験すること、広告などの言語表現に敏感になることも良いでしょう。

 

(5)他者に何かを伝えたり教える

他者に伝えたり、教える、という行為を通して、私たちの言語化能力は飛躍的に向上します。なぜなら、相手に伝わらないということは、私たちの言語化する力が低いということの証明だからです。

40代男性には40代男性が理解しやすい言葉で、小学4年生には小学4年生が理解しやすい表現で、清掃係には清掃係に理解しやすい文章で言葉を紡ぐことが必要です。

これができる人こそ、言語化能力の高い方です。

他者に何かを伝えたり教えることで、私たちの言語化する力にどの程度有用性があり、他者に理解してもらえる妥当性があるのかということがよく見えてきます。他者に何かを伝えたり教えるということで、語彙力や要約力、そして、比喩を使う力が試されます。

 

言語化能力を高めるのに、おしゃべりでも良いってことでしょうか
はい、問題ありません。意識をしていればあらゆる場面が訓練になります。

とはいえ、ユダヤ人の格言タルムードにこんな言葉があります。

賢い者は、自分が何を話しているのか知っており、愚かな者は、自分の知っている事を話す。

おしゃべりを通して言語化の力を鍛えることは可能だと思いますが、愚かな者のようではなく、賢い者として語ることが大切です。意図し、意識して行うアウトプットこそが成長を加速させてくれます。

 

言語化は思考の見える化です

このように言語化することを通して、私たちは自分が何を考えているのかを理解することができます。

占星術を学び始めて様々な情報を見聞きして、あたかも自分の理解が広がったような気がするかもしれませんが、真の理解とは自らが語ることができるものの中にあります。

自らの言葉で言語化できるものこそが、自分が理解したといえるものだと思います。

言語化できなければ自らの理解をもちいて他者の役に立つこともできません。もちろん占星術を自分の趣味の範囲内で楽しむのであれば問題はないと思います。ですが、少しでも占星学を何かや誰かのために役立てていきたいと思うのであれば、言語化する力を鍛えていくことが大切だと思います。

 

(3)分析する力

占星学に必要な5つの力の三つ目は《分析する力》です。

(1)象徴を理解する力

(2)言語化する力

(3)分析する力

(4)関係を解読する力

(5)物語る力

先述した象徴を理解する力と言語化する力は、ホロスコープチャートを読む前提となる力と言えます。三つ目以降の力が、実際にホロスコープチャートを読むときに必要となってくる力です。

ワクワクしてきました!
それではまず分析力とは何かについて考えていきましょう。

 

分析する力とは何か?

まず「分析」を辞書的に説明すると次のようになるでしょう。

対象となる事物を分解し、構成要素や成分を明確にすることで、対象を理解しようとすること

例えば、「りんご」を分析するとしたらどうなるでしょうか。

分析の視点はいくつもあるでしょう。まず、物質的に分解して皮・実・種子がどのような存在なのかを明確にする分析があるでしょう。さらに、りんごの種類を分類して、りんごというカテゴリーのなかで、当該りんごがどのような在り方をしているのかを明確にする分析があるでしょう。りんごよりも大きなカテゴリー、たとえば果物という視点でりんごを理解する分析もあるでしょう。五感でりんごを観察し、色・形・匂い・触感などから理解することもできます。また栄養成分を調べる分析方法もあります。

このように、りんご一つでも多様な視点から構成要素に分解することができます。りんごを理解するための分析方法がたくさんあるということです。

りんごが食べたくなってきたぜ。

 

ホロスコープチャートを読む最初の一歩

分析する力がなければ、ホロスコープチャートを明らかに読むことはできません。

後述しますが、直観的・直感的に読み解く、というのも重要です。しかし、それだけでは理にかなった解説はできません。ホロスコープに潜在するものを直観的にリーディングしているのかもしれませんが、それは読み手のフィルターに依存したものですし、そこには誤謬が含まれる可能性、そして、読み手に潜在する過去の印象や思考のパターンや価値観などが反映される可能性があります。

その直観的なリーディングをきちんと裏付けるためにも、要素を分析する力は必要不可欠です。分析とは論理による裏付けです。

論理的に考えるって、ちょっと苦手です。
俺も直感派だ!
直観も直感も大切です。でも分析する力も必要です。少しずつ訓練していきましょう。

ホロスコープはさまざまな要素の複合体です。

サインがあり、惑星があり、ハウスがあり、アスペクトがあります。例えば「9ハウスの水瓶座の水星」という要素があるとします。この要素は「9ハウス」「水瓶座」「水星」という3つの要素に分解できます。この3つの要素が理解できれば「9ハウスの水瓶座の水星」という要素を理解できるようになります。

他にも「アセンダントが牡牛座」という要素があったとしたら、「アセンダント 」「牡牛座」と分解できますし、さらに牡牛座を「土のエレメント」「不動宮」と分解することもできます。

このように、ある要素をさらに細かい要素に分解することで見えてくるものがあります。

 

ホロスコープチャートの分解方法とは?

ホロスコープチャートの分解方法は色々あります。
たとえば?

サイン・惑星・ハウス・アスペクトはもちろんですが、サインだけを取り上げても陰陽の2区分、活動・不動・柔軟の3区分、地水火風の4エレメントなどの分け方もあるでしょう。また、前半6つを個のサイン・後半6つを社会性のサインと分ける方もいるかもしれません。

惑星にしても、内惑星・古典的外惑星・トランスサタニアンと分けることもできます。さらに、カバラの生命の木に配置して分類する方がいるかもしれません。ハウスも、オポジションのハウスをペアとして分類することもできますし、前後半で6つごとに分類したり、4つに分類して考えることもできます。アスペクトもハードとソフトに大きく分解できますし、個々のアスペクトに分類することもできます。

実際のホロスコープチャートを分析する際には、複数の切り口で分析することが可能ですし、必要でもあります。

例えば「11ハウスの獅子座の太陽が4ハウスの山羊座冥王星とスクエア」という要素がある場合、太陽に関する要素を分解し、冥王星に関する要素を分解するという方法も可能です。一方で、ハウスという切り口で分解することもできます。また、ディグニティの観点で分解するかもしれません。とにかく様々な分解の切り口があるということです。

ふ、ふくざつですね。。。
はい、複雑です。
なんとかしろ!
分析の海に溺れないためには「目的と目標」が大切になります。

 

分析の目的と目標をイメージしよう

分析には目的と目標が必要です。

これがなければ秋の森のなかでドングリを拾い続けるように、次から次へと無限に情報が押し寄せてきます。そして、何を分析してよいのかがわからないまま疲弊してしまい「ホロスコープを読むのって大変ですね」となってしまいます。

はい。諦めようかと思いました。

分析が大変そうに見えるのは目的と目標が曖昧だからです。

あなたがそのチャートを読もうとしているのには理由があると思います。それが「目的」です。つまり「何のためにチャートを読むのか」です。

● ホロスコープチャートを読む練習のため

● 友達に頼まれてネータルで性格分析するため

● クライアントさんから今後2年の流れを知りたいと言われたため

● 暇つぶし

● マンデンで今年の春分から夏至までの動きを押さえておくため

● チャート分析の結果をWEB雑誌のコラムに載せるため etc

このように目的は様々です。目的があると何故どこに向かっているのかというベクトルが明確になります。

次に目標とは「どこまで読めたらOKなのか」という線引きです。

暇つぶし目的であれば「飽きるまで」が目標となるでしょう。クライアントさんがいる場合は「相手の求めているものを提供できるレベルに必要な分析」が目標になるかもしれません。友達に気軽に頼まれた場合は「性格の傾向性の概要が説明できるぐらい」が目標になるかもしれません。

このように「何のために」「どこまで」チャートを読むのか、それが目的と目標です。

この2つがホロスコープチャートを分析する条件になります。条件があることで、自分が何をしたら良いか、何をどこまで分析したら良いかが明確になりますから、分析の海で溺れることは防げます。

 

分析する力を鍛えよう

どうでしょう。分析する力の大切さは感じていただけましたか?
はい!とっても。

では、分析する力を鍛える方法についていくつか紹介しておきます。

(1)身近にあるものの構成要素を考えてみる

(2)分解する視点の引き出しを増やす

(3)何かを集中して観察する

(4)分析したものをアウトプットする

(1)身近にあるものの構成要素を考えてみる

例えば、デスクがあったら、棚板と足、木材と金具というようにです。化学が好きな方は、さらに分子・原子レベルの構成要素をイメージしてみるのもありです。

また五感レベルで分解してみるのも良いです。形ひとつとっても細かく分解できます。直線部分、曲線部分、削れて丸みを帯びた箇所、平面、並行な辺、など様々です。色を分解してもデスクの棚の色の濃淡があったり、合板の木材なら継ぎ目で色が変化していたりするでしょう。

とにかく対象を分解する練習をすることです。

 

(2)分解する視点の引き出しを増やす

分析が苦手という方々の話を聞いていると、対象を分解するための視点が貧弱であるという共通点があります。1個か2個しか視点の引き出しがないので「どう考えていいのかがわからない」「何も考えられない」という状態に陥ってしまっているようです。

良い分析は視点の数に依存していると言っても過言ではないと思います。

すぐれた分析家は分析する視点を複数もっており、それを自由に使って、他の人が思いつかない方向から対象を分解して理解しようとします。

視点を増やすには、世の中にあるさまざまなカテゴリーやジャンルに関心をもってインプットすることです。

カテゴリー?

カテゴリーやジャンルとは事物を分類するためのレッテルです。家電製品、衣食住、四季、教科、料理、五感、飲み物、天気、etc、なんでもカテゴリーです。身近な対象を何か取り上げて、それがどのようなカテゴリーやジャンルに分類されるものかを考えてみてください。

例えば、りんごであれば、果物、食べ物、赤色、丸、手でもてるもの、木になるもの、寒すぎると育たないもの、国内で生産されたもの、農薬がついてるもの、糖度が高いもの、皮が薄いもの、昔話や神話に登場する果物、丸ごとかじれるもの、種子植物、etc。

このように複数のカテゴリーやジャンルで分類することができます。

この練習をすることで、ひとつの対象を複数の視点で観察し分析する力がついてきます。

 

(3)何かを集中して観察する

対象は何でも良いので、その対象に意識を集中して観察するという練習をしてみましょう。

散漫な意識であれこれを分析したつもりになるのではなく、ある特定の対象を選択して、それに意識を注ぎます。そして、その集中した状態のなかで対象をよくよく観察してみるのです。普段気づかなかったことや見落としていたことなどが見えてくるかもしれません。また、いままでにないインスピレーションを得るかもしれません。

観察も分析もこちらの考えを対象に押し付けることではありません。

観察や分析というのは、対象がどのような声を発しているのか、どのようなバイブレーションを放っているのか、そこに耳を傾け、読み解いていくプロセスです。

「私が対象を分析するんだ」という気持ちではなく「私が対象に分析させてもらっている」という謙虚なマインドで向き合うほうがうまくいきます。何故かというと特定の意図や価値観から離れて、より客観的に捉われなく対象と向き合うことができるからです。

 

(4)分析したものをアウトプットする

分析したものは言葉にしてアウトプットしてみましょう。

分析練習のノートを用意してもいいですし、スマホのメモに残しても良いでしょう。とにかく、分析したものを言語化することです。アウトプットすることで分析の経験が心身に定着してきます。

また、これが象徴を理解する力や言語化する力の訓練にもつながります。

どのような対象もひとつの象徴です。何を象徴としているかはわかりません。それをあなた自身が複数の視点をもって分析することを通して、その対象がどのような存在であり、どのような在り方をしており、何に対してどのような意味をもっているのか、などが見えてくるでしょう。つまり、その対象に複数の意味がこめられているということは、その対象自体が何かの象徴であるということです。

ほうほう

 

分析をする力は対象を理解する力です

このように私たちは分析を通して対象をより理解することができるようになります。ですから、分析する力がホロスコープチャートを読む段階で必要な力だと思うのです。

理解できました! とはいえ、分析は難しそうだけど(笑)

 

(4)関係を解読する力

占星学に必要な5つの力の四つ目は《関係を解読する力》です。

(1)象徴を理解する力

(2)言語化する力

(3)分析する力

(4)関係を解読する力

(5)物語る力

占星学は「関係の科学」とも呼ばれています。

出た、科学。

科学とは、ある対象が存在しているという前提に立ち、それがどのように存在し、どのような法則があり、論理的にどのような帰結を生じ、どのように体系立てられるのかを研究する人間の営みです。

占星学的には、天空において12のサインと10の惑星のエネルギーが交差しあい、相互に依存しあい、相互に作用しあい、相互に伝達しあい、相互に関係しあっています。これらの意味において、占星学は、黄道十二宮のサインと太陽系10惑星のエネルギーの相互関係を読み解き、体系立てようという科学的な営みです。

占星学はすべて関係性によって成り立っています。どの要素も単独で存在するわけではありません。互いに依存し合い、より大きな全体の一部を担い、互いに協調したり反発したりしながら、時間という歯車のなかを運行しています。

ホロスコープのチャートを読むということは「関係性の力学を読み取る」ということに他なりません。

なるほど。

とはいえ、簡単ではありません。数学の一次関数のように式に代入すれば必ず特定の座標が出てくるわけでもありませんし、物理学の運動方程式のようにその式によって運動の予測が成り立つわけでもありません。

チャートを構成する要素は多彩であり、それらの組み合わせも無限にあるかのように思えます。チャートを読む目的と目標によって、チャート上のどの関係性に重きをおくのか、どの関係性を読むべきなのかが変化します。

ですから、「関係を解読する力」を鍛えておくのが良いと思うのです。

確かにそうですね。

 

もう少し具体的に見ていきましょう

例えばチャート上に「11ハウスのカスプが蟹座で、蟹座の支配星である水瓶座の月が、7ハウスで水瓶座の天王星とコンジャンクション」という要素があったとします。

この一文のなかにも非常に豊かな関係が秘められています。関係を解読する力とは、関係によって生まれてくる意味を読み取っていく力です。

ざっと次のような関係性をピックアップすることができます。「11ハウスと蟹座」「支配星の月が天王星とコンジャンクション」「7ハウスと天王星」「天王星と水瓶座」「7ハウスと水瓶座」etc。上記は2つの要素の関係性だけを取り上げましたが。これが3つの要素、4つの要素の関係とさらに複雑になっていきます。

ホロスコープチャートを読むということは、それぞれの要素単体がもつ象徴的意味を理解しながら、それらの関係によって生じてきた複合体の象徴的意味を解読していくというプロセスです。

 

「分析」と「関係の解読」の違いとは

例えば、盲目の人たちが象を触ったとします。ある人は尻尾を触り、ある人は鼻を触り、ある人は足の裏を触るかもしれません。それぞれの人に感想を聞くと誰もが違う感想を述べるでしょう。しかし、目を開いて見れば、それは象という存在の個々の部分の感想に過ぎないのです。

このように個々の部分を調べていくのが「分析」です。

その逆に、個々の部分の理解を保ちながら、全体を全体として理解しようとするのが「関係を解読する」ということです。心理学的に表現するとゲシュタルトを理解するということです。

ゲシュタルトって何ですか?
部分や要素に還元しても見えてこない、むしろ要素に分解することで失われてしまうことさえある、全体としての構造のことです。

例えば、血液検査で悪玉コレステロールの値に異常値が出た時に、いくら血液を分析し続けたとしても、問題の要因や解決にはいたらないでしょう。その課題は、遺伝、運動習慣、食習慣などの複合的な関係の上に生じたものかもしれません。そしてそれは個々の部分だけではなく、当の人間の全体を観察して判断していく必要があるでしょう。

これは分析の価値を減ずるものではありません。要素についての分析があるからこそ、複雑な全体を統合的に理解することができるようになります。しかし、要素を理解したからといって、全体が理解できるかというとそうではない、というのがゲシュタルト的な考えです。

何故なら、全体、または、全体とまでいかなくても部分が集合した大部分という要素などを理解するときには、それをひとつの存在として観察し理解する必要があるからです。

それを可能にするのが「関係を解読する力」です。

 

関係を解読するにはどうしたらいいの?

関係を解読するために必要な力は次の3つです。

(1)想像する力

(2)仮説する力

(3)統合する力

まずは想像力が必要です。

分析にとらわれず自由な心で「こうかもな」「こうかもしれないな」というイメージを膨らませていきます。想像しただけのものを結論として断定することは慎まなければなりませんが、想像力によって部分にふりまわされることなく全体を様々な視点で理解しようというマインドが生まれます。

次に、仮説する力が必要です。

ここでは分析による裏付けを利用しながら全体について考えていきます。「この要素はこうだから、あの要素と結びつくとこうなるのではないか」「あれとこれの関係によって、こちらにこうした影響が生じるだろう」「これらの関係によってこのような状態が生み出されるのではないか」と仮説的に思考していきます。これによって分析と全体を結びつけていくのです。

最後に、統合する力が必要です。

個々の部分の視点と全体の視点の両面から事物を観察した結果、トータルとしての像を心のなかに浮かび上がってきます。そこには矛盾する要素があるかもしれませんし、論理によって説明できる部分も説明できないのだけれどそのように推論できるだろうという部分もあるかもしれません。それでも全体としてのあらゆる要素を総合した像を捕捉するのが統合する力です。

 

(5)物語る力

占星学に必要な5つの力の五つ目は《物語る力》です。

(1)象徴を理解する力

(2)言語化する力

(3)分析する力

(4)関係を解読する力

(5)物語る力

やっと最後です。
長かったぜ。。。

物語る力とはストーリーテリング、つまり、物語を語って伝えることです。

親が子供に絵本を読み聞かせることもストーリーテリングのひとつです。近年は広告業界でもストーリーテリングが主流に躍り出てきました。テレビやYoutubeのCMもストーリーテリングをふんだんに取り込んでいます。

スタンフォード大学の研究によると、物語を使って伝えることで、事実のみを伝えるより最大22倍も記憶されやすいことがわかっています。

どんなホロスコープチャートにも物語が隠れています。

《占星術に必要な5つの力》とは、象徴を理解する力によって見つけ出した意味を、言語化する力によって言葉にし、分析する力によって構造を理解し、関係を解読する力によって複合的な意味を見出し、それらを物語に統合して語る力です。

占星術を学ぶとは、ホロスコープに潜在している物語を読み解き、物語を伝えられるようになるということです。

つながってきましたね。
そうですね。それでは詳しく見ていきましょう。

 

物語を読み解くこと

まずはネータルチャートを事例に考えてみましょう。

とあるチャートに現れた象徴を言語化してみたところ次のような要素が出てきたとします。

● 東半球に惑星が偏っており、自分に関心が偏る傾向がある

● 幼少期の家庭において母親に厳しい躾や関わり方をされた可能性がある

● 社会や集団の中で自分を表現することに傷がありそう

● 辺鄙なところや一人でいることに落ち着きを見出しているのではないか

ほうほう。
イメージが湧いてきますね。
上記の情報だけでも、何となく物語が見えてくるのではないでしょうか。

例えば、もともと自分一人の時間や世界を大切にしたい傾向があるのだけれど、母親との厳しい関わりに晒されることで、その安心できる世界が見出せないまま成長過程を辿り、社会との適切な距離感がつかめずに悩んでいる、、、そんなストーリーをイメージできるかもしれません。

さらに想像力を活用して、「仕事はしているのだろうか」「どんなところに住んでいるのだろうか」「他者とはどのぐらい関わっているのだろうか」「家庭との摩擦は解消されたのだろうか」など、様々なイメージを膨らませることができます。

ただし、ここでイメージを固定してしまったり、断定してしまうことは厳禁です。あくまで「そんな可能性もあるだろう」というところにとどめておきましょう。

さて、さらに分析を進めると次のような要素も出てきたとしましょう。

● 若いうちは社会に適応するのが難しそうだが、歳を重ね、何らかの能力・スキルを身につけることで、社会のなかで人の役に立ちたいという気持ちがありそう

● サビアンを見たところ、芸術的なセンスや創造力に関する能力が複数示唆されていた

● 自身の欲求だけだと引きこもり傾向があるが、母親の規範意識の働きかけによって強制的に社会性を身につけさせられたのではないか

● 能力や才能としては五感や肉体を活用したスキルの方向で適正があるだろう

なんか奥行きが出てきたな。

最初のメモだけだと「一人の時間が好きな人」な雰囲気がメインでしたが、上記のメモを重ねていくと、磨けば光る何らかの能力を持っている様子とそれを大器晩成的に発揮する可能性が見えてきました。

おもしろい!

こんな風にホロスコープチャートから物語が浮かび上がってくるのが見えてくると思います。

この後例えばコミュニケーションについて見ていくのもありですし、職業適性などの流れを見ていくのもありだと思います。

なるほどな。

こうしてネータルチャートの物語が見えてきた時に、意図して探すことがあります。それは次の3つです。

● 見えてきた課題を克服する道を探す

● 主要なテーマや強みを伸長させる道がどこにあるかを探す

● いまこの方は物語のどこにいるのかを探す

例えば先の事例で、家庭環境での出来事、人間関係に引っ込み思案な様子、能力を身につけること、社会のなかで貢献すること、というような大きな流れが見えてきました。

そこから、課題に対して突破や克服を生み出すキーになる要素はないだろうかを探します。また、潜在する能力の傾向性が見えてきたら、それがどのように開花していきそうかを示す要素がないかを探します。

そして、今現在という時間軸のなかでこの方が物語のどこにいるのかをイメージします。これについて思考することが、進行図を確認することにつながります。これについてはトランジットの土星とプログレスの月の様子を観察することでストーリーの大枠を読み解けると思います。

このあたりの分析手順は別のテーマになるので、こちらの記事を参考にしてください。

ホロスコープの分析は仕組み化すべき │ 占星術コンサルテーションの分析手順あなたはホロスコープを分析する手順を仕組み化していますか? これは西洋占星術を学んでいる方、そして、占星術コンサルテーションを提供...

 

物語で伝えること

チャートから物語を読み解くことができたら、次は、物語を伝えるフェーズに入ります。

もちろん一人でチャート分析を楽しんでいるだけであれば「伝える」という行為は発生しませんが、この記事を読まれている方や対象にしている方は、何らかのかたちで他者に向けてホロスコープチャートを読み解くことをされていると思いますし、《占星術で必要な5つの力》自体がそうした方々向けのものですから、「伝える」ことについても記しておきたいと思います。

物語で伝えることの価値は次の3つに集約されます。

(1)感情的な共感を喚起することができる

(2)より大きな視点からビジョンを伝えることができる

(3)複雑な大量の情報をパッケージにして届けることができる

よい物語にはこの3つがあると思います。

物語で読み解き、物語で伝えるのは誰のためかといえば、相手のためです。

理性的な分析の結果を知的に伝えるのではなく、物語をもちいて伝えることで感情的な共感を生み出すものへと変換することができます。それは相手の方の納得感を重視するということです。

そして、物語のストーリーを語ることで、その方がこれまでの人生で感じ考え経験してきたことや今後の人生に期待していることが、より大きな文脈のなかでどのように位置づけられるものなのかということが見えてきます。ストーリーの全体像をつかむことができるでしょう。例えば、迷路のなかで苦しんでいる人が、上空から迷路の全容を把握した状態にも近いかもしれません。

さらに、そこにつめこまれている大量の情報のピースも物語の一部として折り込まれていくことがわかるので、意味の連鎖とネットワークによって自然とインプットされていくでしょう。また、何が最も重要なポイントかということが理解しやすいため、情報の海で溺れることがなくなると思います。

ですから私は占星術には物語る力、すなわちストーリーテリングの能力が必要ではないかと思うのです。

 

物語る力を鍛えるために

でも、ストーリーテリングってどうやって身につけたらいいんですか?

対象を決めて、その対象のストーリーをイメージする練習をしましょう。

私たちが目にしている現実はすべて何らかの物語の一部だと思います。あらゆるものは原因と条件の連鎖によって生み出されています。つまり、どんなものにも必ずストーリーがあります。

例えば、一本のボールペンにもストーリーがあります。まずボールペンという存在自体の歴史があります。それが生み出された背景には人類の願いや様々な方々の営みがつめこまれています。苦労もあれば喜びもあったと思います。さらに、この特定のボールペンが生み出されるにも、販売企業におけるストーリーがあります。企画した方、製造した方、広報した方、小売店に営業した方、様々な営みの上に一本のボールペンが成立しています。

こうしたストーリーに思いをはせてみましょう。

そうするとどんなものも様々な条件と原因の連鎖によって生起してきていることが見えてくると思います。これは分析する力の練習にもなりますし、そのストーリーを言語化することは比喩力や表現力を鍛えてくれます。

何よりも、対象を硬直的にとらえるのではなく、様々な視点から理解しようとする姿勢が生まれますし、それを通して《関係を解読する力》が伸びてくると思います。

 

まとめ、そして、道の先

いかがでしたでしょうか。《占星術に必要な5つの力》についてご理解いただけたでしょうか。

まだ使いこなせる気はしませんが(笑)すっきり理解できました。

完璧を求めず、できるところから練習したり、ご自身の得意なところから伸ばしていくのが良いと思います。

最後にもう一度「5つの力」をまとめておきます。

(1)象徴を理解する力

(2)言語化する力

(3)分析する力

(4)関係を解読する力

(5)物語る力

それにしても長かったな。。。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
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